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キャプテンコージの世界一周旅日記

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懐かしのタイ

タイ バンコク

地図カンボジア、アンコールの街シェムリアップから国境へと続くデコボコ道を、オンボロのマイクロバスはかっ飛ばす。窓ガラスの隙間からは熱風と砂塵が入り込んでくる。最も揺れの激しい一番後ろの席に座っていた俺は、何度もバスの天井に頭をぶつけて叫び声をあげた。大きなジャンプがある度に、同じバスの旅行者達は自分の体を支えつつも、俺が天井に頭をぶつけている瞬間をなんとか見ようと後ろを振り返っていた。

写真途中バスが故障して立ち往生もしたが、なんとか国境まで辿り着いた。タイに入ると世界が一変した。綺麗に舗装された広い道路を、ガンガンにエアコンを利かせたデラックスなバスが走る。バンコクが近づくにつれ、バスの窓からは近代的な高層ビルが見えてくる。この国の発展を物語っていた。

8年前と同じように、俺はカオサンロードで宿を探した。カオサンロードとは世界中からバックパッカーが集まる場所で、安宿や旅行代理店、土産物屋などがびっしり並んでいる通りだ。だがここも随分変わっていた。お洒落なオープンカフェが並び、綺麗なショッピングセンターにはヨーロッパのコスメショップなどが入っていた。

何より驚いたのは、タイ人の若い女の子がたくさんいたことだった。昔のカオサンロードは、本当に外国人旅行者と、旅行者相手の商売をしているタイ人だけが来る所だった。だがそんな外国人の男目当てなのだろうか、頑張ってお洒落と化粧をしたタイ人の女の子が通りを歩いている。

写真バンコクは俺が生まれて初めて来た外国の街だ。あの時は何もかもが刺激的で驚きの連続だった。やたらと多くのタイ人が話しかけてくるのにまず驚いた。そしてすぐにそのほとんどが金目当てということに嫌気がさした。すぐにぼったくられるため、何を買うにもしぶとく値段交渉しなければならなかった。

カオサンの店でTシャツを買おうと思い、値段を聞いてみた。「これいくら?」「120バーツ」「そりゃ高いよー!」当然次には「じゃあ100バーツ」という言葉を期待していた。だが、軽く無視されて店のおばさんは引っ込んでしまった。

そ、そんな・・・。カオサンの物価自体が高くなっているのは確かだが、こうもあっさりしているとは。以前はこの値段交渉を面倒に感じたが、全くないのも少し物足りない気分になる。

そんなすっかり変わってしまったバンコクで、ある日おもしろい出来事が起こった。

写真くみと俺が王宮に向かって歩いている時、ふと8年前の出来事を思い出した。まさに今歩いているこの場所で、ある男が「どこへ行くんだ?」と声を掛けてきた。王宮だと言うと、王宮は閉まっていると言う。開いてるはずだというと、「今日は○○という特別な日だから閉まっているんだ。それよりもっと観光するのにいい所がある」と聞いたこともないお寺の名前を言ってきた。怪しかったので俺はその男の誘いを断った。王宮まで行くと、普通に開いていた。

そんなエピソードを歩きながらくみに話していると、一人の男が寄ってきた。

「どこに行くんだい?」
「王宮だよ」
「王宮は閉まっているぞ」
「開いてるはずだけど」
「今日は○○という特別な日だから閉まっているんだ。それよりもっといい所が・・・」

なんと! 8年前と同じだ!まさに俺が今話していた内容と全く同じことを男が言ったので、くみもびっくりしていた。そして俺達の驚きぶりに逆に驚いている男を無視して王宮に行くと、もちろん開いていた。

一体何が狙いかは分からないが、こうして旅行者を誘う手口だけは進化してないようだ。やっぱり相変わらずだな、バンコクは。なんだか少しほっとした。

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