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キャプテンコージの世界一周旅日記

ジャングル・ニーニョス【後編】

南米 エクアドル テナ

地図まずはジェラルドが指名され、シャーマンの正面に移動し、再びあぐらをかいて座り直した。シャーマンとジェラルドはお互い黙って目を閉じたままだ。二人にはもうトリップが始まっているのだろうか。

写真しばらくするとおもむろにシャーマンが大きな木の葉の束を掴んで高く掲げ、ジャザッ!と勢い良くそれを揺すった。すると「ふーんふーんふーんふーんふーんふーん」とある一定のメロディを低くハミングしながら、木の葉の束をそのハミングのリズムに合わせてバサッ!バサッ!とジェラルドの頭のすぐ上で振っている。

途中からハミングが口笛に変わった。ハミングと同じリズムなのだが、低く、少しかすれたその音色が、凄みを増したような気がした。ジェラルドは目をつぶったままじっと座ったままだ。ジェラルドに何が起こっているんだ?俺の目の前にいる二人は、一体今どこに行っているんだ?俺はまだここにいるぞ!!!

口笛が終わると、シャーマンはいきなりジェラルドの方ににじみ寄り、ジェラルドの頭を両手で抱え込み、ツムジのあたりに口を付けた。するともの凄い大きな音を立てて強く吸引を始めた。大きく“何か”を吸い込んでは頭から顔を離し、「おげぇぇぇーーーーっ!」と空中に何か目に見えないものを吐き出している。悪霊でも外に出しているのだろうか。

写真何度かそれを繰り返し、ジェラルドとの儀式は終わった。ジェラルドは黙って元にいた位置に下がった。

いよいよ俺の番だ。だがまだ俺は全くもって正常だ。何も変化が起こっていない。ジェラルドの時と同じようにシャーマンの前に座り、目を閉じ、「ふーんふーん」とハミングしながら木の葉を振られ、「ひゅーひゅー」と口笛も吹かれた。だが、結局何も変化は起こらなかった。ツムジも吸われたが、何かが頭から出て行く感触もない。だがシャーマンはげーげー吐いている。

そして、何事も起こらないまま、儀式は終わった。

最後にシャーマンから俺達への”お告げ”があった。シャーマンはまずはジェラルドに向かって、「あなたのこれからの旅は良いものになるでしょう」と言った。そして俺に、「あなたの旅も良いものになるでしょう」と言った。

へ?それだけぇ???

全て終了し、シャーマンが去った後、ジェラルドに聞いてみた。
「何か起こった?」
「ナッシング!」
「コージは?」
「ナッシング!」
「・・・」
そして次に二人同時に口にした言葉は、、、"He is bullshit !"(奴は、ニセモノだ!)

写真その後ジェラルドとシャーマンの文句を言いながら残りの泡盛似の酒を飲んでいると、床に何か光る物体を発見した。小さい黄緑色の光が二つ。このジャングルの中では明らかに不釣合いな光だ。

よく見ると、それはゴキブリによく似た形の虫のようなものの目だった。なんだこれは???虫か?おもちゃか?そいつはぴくりとも動かず、目の光はだんだんと弱まってきた。

俺が細い木の棒で恐る恐る突付いてみると、突然そいつは羽を広げて飛び立った!しかも、今度は飛んでいる間に腹の部分が強くオレンジ色に光ったのだ!!!

もう俺達は大騒ぎだ。こんな生き物がいるなんて信じられない。そいつは時たま黄緑色の目の光を強くし、突付くとオレンジ色の光を放って飛ぶ。しばらくの間俺達は夢中になってそいつ(ククヨというアマゾンに生息する昆虫)と遊んでいた。

写真次の日の朝フランクリンがテナからやってきて、四人でまたジャングルに入った。俺はもうジャングルはこりごりだったのだが、今度はジャングルトレッキングではなく、クライミング、山登りである。俺は高い所に登るのは好きだ。

前日と同じように完全装備の俺は汗泥びちゃびちゃになってジャングルを進む。しかも今回は獣道にもなっていない、道無き道を登る。木の枝やツルにしがみついて登る。時にはレネが先に登ってロープを投げ下ろし、俺達はそのロープを掴んでよじ登る。

2時間くらい登っただろうか。突然目の前が開けた。いつの間にか山の頂上付近まで登っていたのだった。眼下には、遠く連なる山々までびっしりとひたすら緑の木々が広がっていた。そこだけは、さっきまでの湿気が嘘のような爽やかな風が吹き、すがすがしい気分だった。

その日の夜、ジェラルドと俺はジャングル兄弟に別れを告げ、テナを離れた。これで、俺達の波乱づくしの正月休みもおしまい!