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キャプテンコージの世界一周旅日記

ジャングル・ニーニョス【前編】

南米 エクアドル テナ

地図エクアドルの中央に連なるアンデス山脈を越えると、ブラジルにまで続く広大なアマゾンジャングルが広がっている。そのジャングルの中にあるテナという街に住むジェラルドの友達を、1月最初の週末に俺達は訪れた。

何度かバスの天井に頭をぶつけるほどの超悪路をキトから6時間、バスがテナの街に入ると間もなく、俺達の乗ったバスの横を懸命に走る奴がいた。ジェラルドの友達、フランクリンだった。俺達はすぐにバスを止めてもらって降り、早速フランクリンの家に向かった。

彼らはお互いベネズエラを旅している時に知り合ったらしい。フランクリンは英語がほとんど話せない。ジェラルドのスペイン語もひどい。だから会話はあまりかみ合っていないのだが、とにかく二人はとても仲がよかった。

写真フランクリンの家はテナの街のはずれにあった。お父さんが庭のハンモックで揺られていた。お母さんは夕飯の支度をしていた。五人の弟や妹達は家の中でノイズだらけの白黒のテレビを見ていた。

フランクリンの弟レネは以前ジャングルツアーのガイドをしていたということだったので、一緒にジャングルに入ってもらうことにした。ガイドなしでジャングルに入るのは自殺行為だ。絶対に戻って来れなくなる。

翌日の早朝、テナからさらにバスで1時間半、途中いくつかの小さな村を通り過ぎ、終点で降りた。目の前には大きな川が流れ、吊り橋がかかっている。その橋を渡ってしばらく歩くとロッジに着いた。俺達はそこで昼食をとってから蚊除けクリームをたっぷり塗ってジャングルに入った。

写真俺達はジャングルに住む原住民がそうするように、細長い草で冠を作ってかぶり、赤い木の実で顔にペイントをして気分を盛り上げた。ジャングル・ニーニョス(ボーイズ)だ!レネが先頭に立ち、獣道のような道を周りに生えている木の枝や草を桑で刈りながら歩いた。途中レネは蜂の巣を見つけてはその蜜を舐め、木の皮を剥いでは中の白アリを食べる。(写真の舌に乗っているのは白アリ!)おまえらも食ってみろと言われるが、とても食べる気にはなれない。「大丈夫だよ、噛まないから」 いや、そういう問題じゃないんだよねぇ。。。

ずっと楽しみにしていたアマゾンジャングル。いざ入ってみて気が付いたのだが、俺はジャングルが苦手だった。普段標高2800m、常春のキトにいるためあまり意識していないが、ここは赤道直下。低地に行けばとにかく暑い。その上ジャングルは半端なく湿気が多い。熱帯ジャングルなんだから当たり前なのだが。さらに蚊対策として長袖長ズボン、雨に備えてレインジャケットまで腰に巻いている。あっという間に全身汗と泥でびちょびちょドロドロだ。

そして俺は蚊が怖い。マラリアももちろん怖いが、普通に刺されただけでも過剰な反応を示してしまう体質なので、とにかく刺されたくない。ジャングルの中にいると実際蚊がいなくても何となくいるような気がして、手や頭を振りながら歩く。まるで狂人だ。

長い長い(と感じた)ジャングルトレッキングを終え、ロッジに帰ってから水着に着替えて川に泳ぎに行った。川の水は冷たく、生き返ったような気分だっが。だが、蚊除けクリームを塗る手が届かなかった背中だけ20ヶ所以上も蚊に刺されてしまい、ボコボコに腫れ上がってしまった!トレッキングでは結局全く刺されなかったのに。。。

夕食の後、ビッグイベントがやってきた。シャーマンと一緒にアヤワスカを飲むのだ。

シャーマンとは、簡単に言ってしまえばインディヘナの部族の医者なのだが、英語では“witch doctor”とも言われ、霊能力で治療を行う呪術師のようなものだ。治療と言っても体の病気だけではなく、むしろ精神的な治療(ヒーリング)の役割が大きい。個人だけではなく、部族全体の指導なども行う、超重要人物である。

アヤワスカというのは、アマゾン地帯のみに生息する特別な植物から、幻覚作用を持つ特別な成分を、シャーマンが代々受け継いできた特別な方法で抽出した(全然説明になってない!)液体で、簡単に言えば幻覚剤である。地上最強のドラッグとも言われている。

写真シャーマンはヒーリングの対象の人間とアヤワスカを飲み、共に別の世界へとトリップをして、そこで精霊と交信することによってヒーリングを行うのだ。俺達はあらかじめレネにセッティングを頼んでおいたのだった。

そして、シャーマンが現れた。

一体どんな現世離れした人間が現れるかと思っていたのだが、見かけは普通のおっさんだった。さっそく儀式は始まった。まずジェラルドと俺がシャーマンの前にあぐらをかいて座る。明かりはろうそくの炎一つだけ。神妙な雰囲気だ。

シャーマンがコップ半分くらいに赤褐色の液体を注いだ。アヤワスカだ。それを一気に飲む。その瞬間、シャーマンの体がぶるぶるっと震えた。すぐ後にアルコール度数70%という酒を口に流し込む。体の中を清めるのと、アヤワスカの苦い後味を消すためらしい。

続いてジェラルド、俺の順番で同じようにアヤワスカと酒を飲んだ。とんでもなく苦いと聞いていたのだが、それ程でもなかった。酒は泡盛にそっくりの味だった。

黙って、”時”が来るのを待つ。

・・・・・

「さあ、始めようか」
シャーマンが呟いた。。。