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キャプテンコージの世界一周旅日記

アラブの人々 ~バス編~

シリア ヨルダン

地図シリアの国では、庶民の足として最も一般的な“セルビス”と呼ばれる乗り合いバスがある。ワンボックスタイプのワゴンで、街の中の決まったルート、もしくは近距離の街と街の間を走る。

車の上に、ルートだか行き先だかが表示されているのだが、もちろんアラビア語で書かれているし、特に決まったバス停があるわけではないので、外国人旅行者にとってセルビスを利用するのはなかなか難しい。だが、実は慣れてくれば意外に簡単である。とういか、周りの人がなんとかしてくれるという事に気付く。

まず適当に人を捕まえて行きたい場所を告げると、そこへ行くセルビスに乗るポイント(場所)を教えてくれる。だがそこには色々なルートを走るセルビスが通っているので、全てのセルビスをとりあえずは止める。運転手か乗客に行き先を言い、違うセルビスの場合はそのまま走り去るし、当たりの場合は乗れと言われる。降りる時も誰かが教えてくれるし、乗り換えが必要な場合はそのポイントで降ろされる。

料金支払いのシステムもアラブっぽい。一番前に座った人(大抵は満員なので、助手席の後ろのでっぱりに後ろを向く格好で座っている人)が料金収集係となる。乗客は席に座ると、チョンチョンと前に座っている人の肩をたたいて、料金を渡す。その人は、また前の席の人に渡す。そうやって集まったお金を収集係がまとめて運転手に渡す。

お釣りが必要な時は収集係が集めた小銭から出す。ない場合は、他の乗客が何かとやり取りをして出したりする。料金はどこにも表示されていないのだが、何故か皆知っている。

ヨルダンに行くとセルビスは普通の小型乗用車になる。その代わり、日本のバスを二回り程小さくしたバスをよく見かけるようになる。仕組みは普通のバスと同じだし、ヨルダンはシリアに比べてずっと英語を話せる人が多いので、特に問題もないのだが、バスの中のルールや人間模様が楽しい。

まず満席になるまでは、普通に座っている。そこに女性が乗り込んで来ると、一番年の若そうな男がすっと席を空け、運転手と助手席の間のスペースに座る。また女性が乗って来ると、次に若そうな男が席を空け、さらに最初に席を空けた男がステップの所に立ち、二番目の男が前のスペースに座る。また女性や年配の人が乗って来ると、若い男が立ち、順にずれ、一番最初の男が、今度は通路に立つ。

通路は普通に立てる程の高さがないので、最も居心地の悪い場所なのだ。要するに、若い男が常に居心地の悪い方へ、悪い方へと移動していくのだ。

これらの一連のフォーメーションが進むと、今度はおっさんが席を空ける番になる。二人のおっさんが席を空けようとして、「いいよ、俺が立つから」「いやいやお前が座っていろよ」みたいなやり取りが始まったとする。すると「じゃあ一緒に座ろうか」ってな感じで、1つの席に二人で座ったり、一人のひざの上にもう一人のおっさんが座ったりもする。

混んで来ると、多くの人が横や縦に重なって座るのだが、男と女が重なりそうな感じになった時は、女の人を他の女の人達が座っている席に移し、まずは男と男が重なり、さらに混んだ場合は人数のバランスに応じて女同士で重なる事になる。

基本的に優先順位は女性→年配→外国人というようになっているみたいだ。

これらの光景はいつ見ても楽しく、微笑ましい。バスはアラブでの俺のお勧めアトラクションである。