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キャプテンコージの世界一周旅日記

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聖地へ【前編】

地図香港、マカオ

バンコクから香港へ戻った数日後に、くみは一足先に日本へと帰国し、俺は一人香港に残った。1年間に及ぶこの旅のフィナーレの場所、インドのバラナシに行くためだった。

バラナシは俺にとって特別な場所だ。学生時代に初めて一人で海外に飛び出し、世界の大きさを感じ、旅というものを感じたのがヒンドゥー教の聖地、バラナシだった。その後サラリーマンとなっても長期の休みを取ってはバックパックを担いで旅をし、ついにはこうして会社を辞めて世界一周の旅をすることになったルーツがそこにあるとも言える。あれから8年が経った今、再びガートからガンガーを眺め、あの時感じたものをもう一度感じてみたかった。

写真出発の日、ふとビザのことが気になった。急遽インド行きを決めて航空券だけは押さえたが、ビザは取得していない。そう言えば、8年前にインドに行ったときは観光ビザを取得したような気がする。なんだか嫌な予感のままインド大使館に電話を入れた。

俺「インド入国にビザは必要ないですよね」
イ「必要ですよ」
俺「デリーの空港で取れますか?」
イ「取れません」
俺「今日そちらで申請したらすぐ取れますか?」
イ「3日後の支給となります」

がーん・・・。うっかりしていた。最後に来ての大失敗だ。俺はすぐにキャセイ・パシフィックに電話して航空券の変更を行い、インド大使館に行って観光ビザの申請をした。それでもビザの取得に3日かかるため、インドでは4日しかなくなってしまう。だがそれでも国内線を使えばなんとかなるだろう。とにかくバラナシでガンガーを見ないことにはこの旅を終えることはできない。

写真だがどうせ遅れてしまったものは仕方がない。ビザ待ちの時間を利用して、フェリーでマカオに行った。市内を観光した後、沢木耕太郎の『深夜特急』でも登場する有名なカジノ、リスボアホテルに行ってみた。

リスボアは、カジノと同じくらい売春が盛んなホテルだ。地下のショッピング街は中央の円柱型のショップを囲むように通路があり、そこをたくさんの娼婦達がお尻を振りながら歩いている。中国人、フィリピン人、ロシア人、ルーマニア人、黒人と色とりどりの彼女達は決してその歩みを止めることなく、丸い通路をぐるぐると回る。周りでは男達がどれにしようか品定めをしている。その様子はまるで回転寿司だ。

俺は一度娼婦達の歩く流れに入ってみた。円を画くような作りになっていると思っていたその通路は、実はU型をしており、それぞれ両端の奥で娼婦達はターンをして逆周りに歩き始める。皆決まって同じ場所でモデルのようにターンをしている。それがルールのようだ。俺もやはり同じところでターンをした。すれ違う娼婦達が笑っていた。ふと、俺も回転寿司のネタの1つになっていると気付き、おじさんに買われる前にその流れから外れた。

そんなことはどうでもいい。インドだ。バラナシだ。俺は旅のフィナーレに向けて、気分を高めていった。

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