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キャプテンコージの世界一周旅日記

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ラブ&ピース2 ~Message to the world~

ジャマイカ キングストン

地図ジャマイカと言えばラスタ。ラスタと言えば赤黄緑の派手なカラーリング、ドレッドヘア、ガンジャ、レゲエのイメージが強い。強いというか、むしろそれだけという人が多いだろう。だがこのラスタとは宗教のことであり、色も髪も草も音も全てこの宗教活動と深く関わっていることはあまり知られていない。

写真 <ラスタファリアン>
1930年代にジャマイカで発生した宗教、思想、社会運動のことで、それを略してラスタと言う。エチオピア帝国最後の皇帝であるハイレ・セラシエ帝(即位前の名はラス・タファリ)を救世主と信じ、黒人優位、黒人のアフリカ回帰を唱え、黒人の社会的地位の向上を求める。

<ラスタカラー>
赤は闘士の血、黄色は輝く太陽、緑は豊かな大地を意味し、それぞれ黒人の故郷アフリカから来ている。これはエチオピアの国旗と同じ色。(ジャマイカの国旗の色は黄緑黒)

<ドレッドロックス>
物事の自然な状態を良しとするラスタファリアンは、体(髪の毛や髭も)に刃物を当てない。縮れ毛の黒人が髪を伸ばして放っておけば、自然と毛が絡まってあのライオンのたてがみのようなドレッドロックスになる。(絡まないように櫛を入れればアフロヘアになるらしい。)社会的な反抗の意味も強い。ドレッドの人達は髪を洗わないという噂はウソ。

<ガンジャ>
ラスタファリアンでは「聖なる草」として、ガンジャ(マリファナ、大麻)を礼拝や瞑想などの宗教儀礼だけでなく、日常でも吸引する。(タバコは健康を害するとして吸わない。)だがいくらジャマイカでもガンジャは非合法。

<レゲエ>
レゲエは元々1960年代にジャマイカで生まれた音楽のジャンルだったのだが、数多くのレゲエ・ミュージシャン達がラスタファリアンの影響を強く受けており、彼等の発するメッセージを世界中に運ぶ大きな役割を果たしている。

写真そして、この全ての象徴的存在とも言えるのが、ボブ・マーリーではないだろうか。彼はジャマイカの首都キングストンのスラム、トレンチタウンで生まれ育ち、60年代からレゲエを世界に広めた。あの迫力あるドレッドロックと、ビデオクリップの中でもモクモクとガンジャの煙を燻らせる姿が、メッセージ性の強い歌詞と共に世界中の人々にラスタファリアンの存在を認識させることになった。

実はジャマイカの中でもラスタファリアンの人口比率はそれほど多くない。5%もいなかったはずだ。コテコテのラスタマン(ラスタカラーの服を着て、ドレッドヘアで、ガンジャを吸いまくっている奴等)はネグリルではよく見かけたが、キングストンに来るとかなりのマイノリティになる。だがボブの歌はジャマイカの多くの人々に愛されていて、彼のメッセージは人々の心に伝わっている。ボブの歌はラスタファリアンとしてのメッセージだったのだが、もはやそれは元にあった宗教自体を超えてしまっているのだ。

写真ボブの歌には宗教色の強いものが多くある。西欧文明に毒された社会との闘い、脱出、故郷アフリカへの出発を訴えかける“EXODUS”、アフリカから奴隷として連れてこられ、アメリカの南北戦争で戦った黒人兵士を意味する“BUFFALO SOLDIER”など、ダイレクトにラスタファリアン的なメッセージを持つものは、それを聞く黒人達の心にどう響くのか測り知れない。

だが、心の解放と真の自由を歌った“REDEMPTION SONG”、「全てうまく行くさ」と繰り返し語りかける “NO WOMAN NO CRY”、そして世界の平和と人類の平等を歌った“ONE LOVE”など、ラスタファリアンの教義を越え、普遍的なテーマを歌ったものも数多くあり、人種を問わず世界中の人々に愛されている。

地球上のあちこちでは宗教や思想をめぐる争いが昔から絶えることはない。だが宗教とはそもそも人が幸せに生きるための考え方を示すものではないのか。それぞれ何を幸せとし、何を信じるかは自由だが、他の人が信じるものを否定することなんて誰もできないはずだ。争いは信じることからではなく、否定することから始まる。

そして社会には未だ人種差別が存在する。肌の色や歴史、何を持って人間に順位を付けられるというのか。差別の歴史は価値観の基準ではなく、価値観を見直す反省点とするべきだろう。

ボブがこの世を去って23年が経つ。だがボブの歌は色褪せるどころか、より強く人々の心に響き続ける。ブラジルで出会ったある男が言っていた。「ボブは今ブラジルにいるんだ」と。昔から住んでいたインディヘナ、そこを殖民した白人、奴隷として連れてこられた黒人、移民として移り住んだアジア人、それぞれが混ざり合った多様な混血、そんな人々が共存しているブラジルだからこそとても深い言葉だった。

この先、世界中の人々の心にボブのメッセージが届いた時、世界は変わるのだろうか。俺は“Everything’s gonna be all right(全てうまく行くさ)”というボブの言葉を信じたい。

(写真銅像はボブ・マーリー博物館にて)

旅情報

交通
ガイドブックにはジャマイカの交通手段としてはタクシーくらいしか載っていませんが、もちろん公共のバスもあります。モンテゴ・ベイの空港からネグリルまでの快適な大型バスは1100JD(ジャマイカ・ドル)、ネグリルからキングストンまでのぎゅーぎゅー乗合バスは400JDです。 1アメリカドル=60JD(空港のレートは約55JD)
宿
ジャマイカの物価はとても高く、宿も20ドル前後から。ネグリルではダウンタウンの南側に比較的安い宿が集まっています。ロングベイではダウンタウンから北に約1キロ、Ansell's Thatch Walk Cottagesが20ドル。
キングストンでは閑静な高級住宅街にある日本人宿、レゲエ情報をはじめジャマイカのあらゆる情報がいっぱいのアイシャ★ハウスがお薦め。タクシーやツアーの手配もしてくれます。

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