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キャプテンコージの世界一周旅日記

ファラオの祟り・・・?【前編】

エジプト カイロ

地図未だ多くの謎に包まれたピラミッド。実際に間近で見ると、本当にどうやってこんな大きな石を、こんなに高く整然と積み上げたのだろうと思う。ギザの三大ピラミッドの中でも、特にクフ王のそれは、大きさと美しさに圧倒される。そんなピラミッド、数年前の転落事故の後は登ることができなくなってしまったのだが、朝日コレクターの俺はどうしてもピラミッドの頂上から日の出を見たい。というわけで、同じ宿にいたチフス君(数日前まで腸チフスで入院していた)と一緒に夜中の登頂を試みた。

夜更けになってカイロの宿を出てタクシーでギザまで行き、そこから住宅街を通ってピラミッドを目指す。途中、恐怖の野犬ゾーンをクリアし(噂では集団で遅いかかって来るとの事だったので、石とベルトを手に持って反撃体制を整え、かなりびびりながら身構えていたのだが、ただ近くに来て吠えるだけだった)、ピラミッド地区の塀まで辿り着いた。高さ3m程の石塀の上に、さらに3m程の金網が張ってある。

しばらく塀に沿って歩くと少しだけ崩れている部分があり、そこから塀をよじ登る。さらに塀の上をしばらく歩くと、金網が裂かれている場所を見つけてそこから敷地内に忍びこむ。外側の5m程の土と砂の崖を登ると古墳群がある。ここからは物音を立てずに進む。ピラミッドの周辺は24時間体制で警備されているのだ。俺達は古墳を一つ一つ慎重に乗り越え、回り込み、クフ王のピラミッドに向かった。

写真その夜は雲が月を隠していた。暗闇の中、うっすらとそびえる巨大なピラミッドは静かな迫力がある。古墳群を過ぎると、もうピラミッドは目の前だ。だが、警備の手薄な南東側に回り込むには、そこからさらにピラミッドの東側に面した遺跡群の後ろを通って行く必要がある。ピラミッドのすぐ周りでは、警官がパトロールしている姿も見える。緊張が高まる。

遺跡群はそれぞれ大きさも間隔もバラバラに存在している。俺達は遺跡の後ろに身を隠し、ピラミッド側のパトロールの様子を窺おうとするが、こちら側からは何も見えない。息を殺し、遺跡の間に身をかがめてさっと走り抜ける。間隔が長い時には匍匐前進で進む。とにかく、見つかったら終わりだ。必死に息を殺しているのだが、まるで心臓の音が聞こえてしまうのではないかというほどにドキドキ鳴っている。

ついに最後から二番目の遺跡まで辿り着いた。後一つで南東の角に回り込める。だがその時、前方の最後の遺跡の裏で何かがかすかに動いた!目を凝らすと、人影のように見える。まさかパトロールか?俺達は動きを止め、じっと息をひそめる。その影も動かない。長い沈黙。。。なんとなく、向こうも俺達の様子を伺っているようにも思える。それともただ人の形に似た岩なのか?

すると突然、俺達が身を隠していた岩のすぐ近くから足音が!「やばいっ、逃げろっ!」そう言った時には既に遅かった。顔にライトを当てられ、その光の奥では銃がこちらに向けられているのが見えた。終わった・・・。俺達は両手を上げた。警官だった。前方の遺跡の裏の影が動き、もう一人の警官が現れた。そして俺達は詰所のような所へ連れて行かれた。

写真詰所ではいろいろと質問されたが、全てアラビア語だったのでなんと言っているのかほとんど分からない。俺達はひたすらこっちの状況を正直に説明した。遺跡荒しなどと間違えられたら大変だ。「俺達はただピラミッドに登って朝日が見たかっただけだ」というのをジェスチャーで表現した。一見アホな光景だが、俺達は必死だった。

その甲斐あってようやく理解してもらい、向こうの態度も和らいできた。和らいだと思ったら急にズル~イ顔になってきた。それを待っていた。後は賄賂の折り合いさえつけば帰してもらえそうだ。警官達が要求してきたのは100ポンドずつだったが、帰りのタクシー代しか持ってないんですと言いながら、ポケットの中の有り金全部である10ポンド札を2枚出し、一人に10ポンドずつ渡してようやく解放された。

だが俺達はそのまま帰らず、次の日の入場料と、カイロまでのタクシー代をけちって、そのままどこかに隠れて朝の開門時間を待とうという事になった。だいぶ冷えてきたので、俺達は古墳の一つに潜り込んだ。古代クフ王の親族の墓なのだろうか。「失礼します」と両手を合わせて挨拶をし、心地良い眠りについた。

だがこれが、とんでもない祟りを呼び起こす事になろうとは・・・・。