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キャプテンコージの世界一周旅日記

恋とサンバの街

ブラジル リオ・デ・ジャネイロ

地図

結局セイジはサンパウロからアフリカへは飛ばず、俺と一緒にリオ・デ・ジャネイロに来た。リオでアフリカ行きのチケットを探しながらもうちょっと遊ぼうということになったのだ。

写真恋とサンバの街、リオのカーニバル、ボサノバの発祥地、ゴージャスなビーチ・リゾート、世界三大美港、、、とにかくここリオ・デ・ジャネイロは、サンパウロとはうって変わって暖かく、美しく、華やかで明るい街だった。

コパカパーナやイパネマのビーチでは、あちこちでビーチバレーやサッカーをしている。限りなく面積の小さなビキニを着た、ダイナマイトボディのカリオカ娘達が寝そべっている。自信に満ち溢れたマッチョの男達が、そんな女の子達をナンパしている。(なんとコパカパーナビーチの端にはバーベルなどが置いてある筋トレエリアがあり、男達はそこで必死にトレーニングをしていた!)ジュースやアクセサリーを売りながら砂浜を歩く売り子もよく見かける。白人の観光客も多く、街行く人はほぼ皆Tシャツ姿だ。

南米に入って半年。前半はアンデスの高地、後半はパタゴニアと、寒いところばかりにいた。だが俺は基本的には夏が好きで、海が好きだ。まさに俺がずっと求めていたものはこれだった。これが海だ。これが、リオだ!

写真セイジと俺はそんなリオで目一杯遊ぼうと張り切った。毎日海に行ってはボディ・サーフィンをした。へとへとになるまで波に乗った。砂浜ではセイジがトロンボーンを吹き、俺がパチカを振った。よく人が集まって来た。(うるさいからあっちに行けと言われたこともあったが)

張り切って遊んでいた反面、どこか無理しているような気もしていた。ずっと楽しみにしていたリオなのに、一体何を楽しみにしていたのかも分からなくなってきた。

夜は洒落た店が集まるボダフォゴ地区のカフェやバールに行った。だがそんなバールで飲みながら俺達が話すことと言えば、サンパウロの汚い飲み屋や宿での思い出話ばかりだった。

一番の観光名所である、コルコバードの丘の巨大キリスト像が立っているところまで登った。そこから見渡すリオの美しい夜景を見ても、それは俺達にとっては眩しすぎるだけだった。

写真何をやっても、心底楽しめない。何か足りない気がする。心のどこかがぽっかり空いている。祭りの後のような気分だ。リオにはサンパウロにないものがたくさんある。海も街も人も何もかもが美しい。だが、俺達はサンパウロが、仲間達が恋しかった。

ある晩俺達はホステルの近くのバールでカイピリーニャ(ブラジルの酒、ピンガで作るカクテル)を飲んでいた。すると突然俺達が座っていたすぐ後ろのガラスの壁が、「バチンッ!」と凄い音を立てて割れた。俺の頭にも破片が降りかかった。一瞬何が起こったのか分からなかった。外で車が走り去る音が聞こえた。

床には飛び散ったガラスの破片が散乱していた。その中に、弾丸が一つ落ちていた。外から空気銃か何かで撃たれたものだった。俺達の周りには他に客はいなかった。俺達を狙ったのか、もしくは驚かせるための悪いいたずらだったのか。

その日は夜通しずっと激しい音楽と歓声が鳴り響いていた。俺達のホステルの裏山にあるファベーラで、巨大なパーティか何かをやっているという噂だった。ファベーラとは、家を持たない貧民達が、広大な国有地や私有地をある日突然、一晩にして不法占拠し、たくさんのバラック小屋と壁で作り上げてしまうスラム街だ。

ファベーラはサンパウロに約2000箇所、リオ・デ・ジャネイロには約720箇所も存在する。リオにあるファベーラの多くは丘の斜面にある。バラック小屋がぎっしりと立ち並ぶその景観は、華やかなビーチ側の街並みと対照的だ。だがそれこそがブラジルの、リオの現実なのだ。

写真ファベーラはある意味治外法権のようなところで、警察の力さえ及ばなくなってしまうようなエリアだ。そこにはマフィアや麻薬組織の拠点が存在したり、犯罪者が隠れ住んでいたりという話も聞く。

だがちょうど今は、警察がついに動き始めた時期だったらしい。戦闘開始か?とまで言われることもあった。その日のパーティは、何かその警察の動きと関係があるのだろうか。銃で狙われた一件もあり、なんだか不吉だ。。。

どうやら、この街はもう出たほうがいいのかもしれない。

その日はセイジと飲み明かし、早朝俺はリオを発った。ホステルを出てコパカパーナのビーチ沿いの道を歩いていたときは、まだ日の出前で空も薄暗かった。昼間は賑やかなこのビーチも、しんと静まり返っていた。

これで、また一人になった。。。

旅情報

宿
サンチアゴの日本人宿、ペンション荒木(RUA SAO JUAQUIM,193 LIBERDADE,SAO PAULO TEL:279-6384)はドミトリー1泊20R、1ヶ月280R。長期割引は前払いのみなので、半月以上滞在するなら前もって1か月分を支払う。